クロスメディアの禁止と執拗に繰り返される民主党潰しの実態。

クロスメディアの禁止、つまり、プレスと放送が密接に結びついて言論を一色にしてしまえば、そこには多様性 も民主主義の基である批判も生まれないわけであります。これを、法文化したいと考えています」。原口総務大臣が、昨日、外国人記者クラブの会見で、日本の 大臣として初めて、クロスオーナーシップ(=新聞とテレビ、ラジオの系列化)廃止に向けた法案を成立する意向を示した。

 このクロスオーナーシップこそ、自民党政府が日本のメディアをコントロールするために生み出した禁じ手であり、先進国ではごくわずかの例外を除 いて、クロスオーナーシップを規制し、新聞とテレビが相互に批判することで、政府とマスメディアが癒着しないように配慮している。日本ではその規制がない ため、新聞とテレビの利権が批判されず、どんどん政府とマスメディアの距離が近くなり、政府を批判することが出来なくなったのだ。

 今回の原口大臣の発言は、この自民党政府とマスメディアの長年の癒着構造に終止符を打とうというものだ。当然、クロスオーナシップによって利権 を得ている、5大マスメディアにとっては、迷惑な発言であり、いまのところ、どのマスメディアもネットでは報道していないようだ。

 原口大臣は、このクロスオーナシップ規制と共に、総務省(旧郵政省)が直接、放送免許を与えている制度についても、「長い間の政権が、総務省と いうむき出しの権限を持っている機関を直属に、そこが直接放送局の免許を与える、非常に言論の自由報道の自由、放送の自由に対して、シグニフィカント (有意義) な存在、この存在を解体することがある意味、私の努めであるとそう考えているわけです」と明言し、独立行政委員会などの方法によって、政府(総務省)から 直接放送局の生殺与奪の権限を奪うことを改めて明言した。

 この二つの制度によって、マスメディアは利権を得る代わりに政府のコントロール下に置かれた。先進国ではほかにない状態に置かれたが、逆に言うと、利権は守られる構造にある。

 民主党は、検察・警察のあり方についてメスを入れようとしただけでなく、このマスメディアの利権構造にもメスを入れようとしている。放送行政権限を政府から独立させることは民主党の公約でもあったのだ。

 ここまで話せば、これまで、クロスオーナーシップという言葉すら聞いたことがない人にも、なぜ、検察庁が、民主党首脳に対し、形式犯にすぎない にもかかわらず、あれほど、執拗に捜査を行い、マスメディアがそれを批判することなく、いかにも重大な犯罪であるかのように報道する理由が分かったことと 思う。

 いま、日本では、【検察庁及び5大マスメディア連合軍=裏に自民党】と、【民主党及びそれを支える民主的市民連合軍】との熾烈な覇権争いが繰り 広げられているわけだ。ここで、民主党及び市民連合軍が敗れれば、ふたたび、自民党とマスメディア・検察庁の天下となり、暗黒時代に戻される。

 自民党政権下では、米国の支配を甘んじて受け入れ、密約は徹底的に隠され、国家予算は特別会計という名で市民の監視からはずされ、天下りが横行 し、貧富の格差が拡大し、取り調べが密室で行われ冤罪が横行してきた。ところが、民主党はそれらすべてにメスを入れようとしている。

 真の民主主義が花開こうとしている。そのことは既存の利権団体にとっては不都合なこと…。それゆえ、必死に民主党をつぶそうとしている。

 私たちは、この検察、マスメディアの意図を知った上で、現在の鳩山、小沢に対する捜査を監視しなければならない。